double contract 第9話 +++ CAST セイ/ sei /音成ねね様 クロム/ crom /壱様 キャラウェイ/ chara /山並かえで。様 ジル/ jiru /あさひ様 コマ/ koma /驟雨圭様 +++ +補足 【 】内はただの読み方です。 ( )は演じる上での指定になります。 途中で出てくる、セイM、のMはモノローグを表しています。 (お手数ですが、台詞番号_sei_m と保存お願い致します) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○ クロムの家・玄関 001_セイ「医者・・・・・・」 002_コマ(以前のデータ使用)『 オイラはこの近くの医院の助手兼給士をやっとってな 』 003_セイ「そっ・・・そうです、コマさんですね!!」 004_セイM「 コマさん・・・正確には名前は違うらしいけど・・・確かにあの人は、医院の助手をして いると言っていた。・・・そうだ、そこに行けば治療をしてもらえる 」 005_セイ「行きましょう、ブルーベックさん!」 006_クロム「誰が診察【しんさつ】・治療費を払う事になると思っている・・・?」 007_セイ「ぐっ」 008_セイM「 目の前に怪我人がいるっていうのに・・・!でも、確かにもっともな発言だけど、 でも・・・っ 」 009_クロム「(やれやれと溜息を1つ)」 SE:玄関のドアを開ける音 010_クロム「来い、キャラウェイ」 011_キャラ「わっ、ちょ・・・っ、ブルー!」 012_クロム「黙れ。おとなしくついて来い」 013_セイ「えっ・・・行くんですか・・・っ?良かったー・・・」(ホッとして) 014_クロム「お前が言い出した事だ。貸しにしておく」 しばしの間。 クロムの「貸しにしておく」を何度かエコーかけます。 015_セイM「い、今の状況以上に貸し・・・!?」(悲痛に) 016_セイ「ちょ・・・、ちょっと待っ・・・!」 SE:ドアが閉まる音 ○ 城下街ルクス・個人医院への道程 SE:3人の足音と、なにかしら環境音 017_セイM「 な、何だかサラッと言われたけど、か、貸し・・・っ?えっ、げ、下僕以上に何をしろと ・・・!? 」(ちょっと泣きそうに) 018_セイM「 あ、後で考えよう、今はそれよりもあの子の怪我を治すことが先決だよね 」 019_クロム「・・・偵察【ていさつ】に行った時にやられたのか」 020_キャラ「ううん、・・・それは違う。偵察はレクトに任せたから」 021_セイM「 ・・・偵察・・・?あ、この家かな、昨日は気付かなかったけどこんなに近くに個人医院 があったんだ・・・ 」 022_セイM「 ブルーベックさんの家みたいな真っ白じゃなくて、落ち着いた淡い感じの白、どこか 優しい雰囲気がする 」 SE:ドアを開ける音。 023_クロム「コマ」 024_コマ「あっれ、先生!どないしたとですか、あ、車ならちょっと待っといて下さい。後、ドクター、 カルテ整理終わったら取り合えず今日の診察終わりますんで」 025_クロム「いや、確かに車は使うが、それは後だ。先にコイツの怪我を診せに来た」 026_コマ「あれま。キャラウェイさん、ちょぉーっといいですかい」 027_キャラ「あ・・・は、はい」 028_コマ「誰ですかい、こんな止血の仕方したの。まーまーとにかく診察室に」 029_ジル「おーい、ヴィー、終わったぞぉおおお・・・」(疲労後ヘロヘロな声) 030_コマ「お疲れさんですー。でも、すんません、もうひとふんばりー」 SE:椅子を引く音 SE:ガタタンッ、と何かしらぶつかる音 SE:バンッ、と思いっきりドアを開く音 031_ジル「ヴィー、お前これで終わりって言ったじゃねーか!」 032_セイ「わっ」 033_セイM「 ビ、ビックリした・・・えと、もしかしてこの人がお医者さん・・・?」 034_セイM「 ブルーベックさんと同じ位の身長・・・ちょっと大きいかな。薄い茶の長い髪、それを 後ろでゆるく束ねる緑のリボン・・・人好き【ひとずき】のするような顔に髪と同じ色の瞳、そして白 衣・・・白衣・・・やっぱりお医者さん 」 035_ジル「げ」 036_コマ「さすがにクロム先生の頼みは断れんきに、ホントにこれが最後なりますー」 037_ジル「・・・何だよ、車?」 038_コマ「それは後、との事で。今はこの子の治療をって」 039_キャラ「あ、こ、こんにちは・・・フレイザー」 040_ジル「あー、キャラウェイか。お前なら大歓迎〜。・・・だけどなぁ、何だよコレは。ひっ でえなぁ。もう少し入ったら骨だぞ骨。7針位縫うけど、いいか?」 041_キャラ「あっ、え・・・いいよ、別にこんなの、このままでも」 042_ジル「は?治療、受けに来たんじゃなかったのか?・・・ナニ、じゃあクロム、もしかしてお前から 治してもらおうって連れてきた訳・・・?うわ、いや〜・・・それは珍しすぎて明日雪降るぞ。いや、雹 【ひょう】か?霰【あられ】かなっ?こーんないい天気なのになぁ 」 043_クロム「誰がするか。後ろの奴が責任者だ」 044_ジル「ん、後ろ?んお?」 045_セイ「えっ、あっ、ど、どうも・・・」 046_ジル「あ」 しばしの間。 047_セイ「・・・・・・?」 しばしの間。 048_コマ「あぁ。ほら、ドクター。クロム先生ん家の前で倒れとった子ですよ〜」 SE:ガバッと抱きつく音 049_セイ「ぅわぁあッ!?」 050_ジル「君」 051_セイ「あ・・・?あ、あのっ・・・!?」 052_ジル「おにーさんといい事しな・・・」 SE:チキッ、とクロムが剣を抜こうとする音 053_ジル「ぅわッ・・・い、いや、待てっ、クロムっ、早まるなっ!何だよ、冗談だってもう〜・・・あ、わか った。しょうがねーなぁ、妬くなって〜。お前はズバリ観賞用だ。デカいと可愛くないからな、うん」 (お前は〜〜から、やたらと真面目な声) 054_クロム「喉ごとふざけた事が言えない様にしてやろうか」(殺気) SE:スラッ、と剣が抜かれる音 055_ジル「う―――わ―――!!ヤ、ヤメろって、すまん!悪かった!ギャ―――!!」 056_コマ「いやー、ドクター。いつになったらその癖治るんですかい。下手すっととっ捕まってまう」 057_ジル「(ゼェハァ、と肩で息をしてから)・・・なっ、俺は犯罪行為をしてるつもりはねーぞ!こう・・・ 可愛い子を見たら抱きしめたくなるってのは、世の常、だろう?」 058_クロム「お前の腐った世とこの世を一緒にするな」 059_ジル「ヒデぇ!何だよ、別にこの子が嫌がってる訳じゃねーんだからいいだろー。なー」 060_セイ「えっ?えと・・・」 061_コマ「すんません、通過儀礼【つうかぎれい】みたいなモンで・・・ドクターは可愛い子を見ると、 トコロかまわず抱きしめちまう癖があって」 062_ジル「トコロかまわず、って俺そこまで変態じゃねーぞ!」 063_セイ「い、いえ、あの、それよりもケガの治療を・・・」 064_セイM「 微々【びび】たるものだけど、この子の血はまだ止まってない。普通だったら貧血位 起こしていいはずなのに、何でこんなに平然【へいぜん】と立ち尽くしてるんだろう・・・。平気なは ずない、本当は痩せ我慢してるんだと思う。まだこんなあどけない少女なのに・・・もう、ケガ云々 【うんぬん】の前に、凄く、痛々しい 」 065_セイ「あまり痕【あと】が残らないようにお願いします。傷痕【きずあと】は女の子には酷【こく】 ですから」 066_ジル「おうよ。この自他【じた】共に認める天才医師におまかせあれよっ。そうだよなぁ、デッカい 傷痕なんか嫌だよなぁ・・・・・・・・・あれ?」 067_セイ「え?」 068_ジル「・・・んー・・・?」 069_セイ「あ、あの・・・?」 070_ジル「今、“ 女の子 ”って言った?」 071_セイ「は?・・・あ、はい、女の子。それが何か・・・?」 072_ジル「ヴィー、お前教えた?」 073_コマ「いえー、オイラは何も」 074_ジル「クロムは・・・・・・あー、お前はいちいち言わないか。じゃ、何だ、アレか。君、キャラウェイ を一目で女と見切った訳だ。ほー」 075_セイ「だって、女の子でしょう・・・?」 076_ジル「うむ、そーかそーか、君は見る目があるっ。キャラウェイはな、過去現在共に、ほぼ90% の確率で少年と間違われるんだよなー。まー、着てる物が良くねぇ。髪も短いし」 077_セイM「 そう言われてみると・・・確かに少年みたいな格好はしてるけど・・・ 」 078_ジル「俺は野生のカンというか、本能のカンというか、当てたけどな」 079_コマ「あ、オイラは間違ってまったんですよー。特に人間てのはわかりづろうて」 しばしの間。 080_セイ「人間・・・?」 081_セイM「 まるで・・・自分がそれ以外のモノの様な言い方・・・ 」 082_コマ「あ」 083_ジル「わぁあああああ!そーだ!よし!キャラウェイ!腕治してやるぞー!!」 084_コマ「すんません、ドクター。口滑ってまいました」 085_ジル「ぎゃぁああああ!それ以上、喋るんじゃねーってのぉおお!!」 086_セイ「・・・?」 087_セイM「 あからさまに態度がおかしくて・・・逆に尋【たず】ねようがが無いな・・・。 けど、会ったばかりの人の話に首を突っ込むのは失礼だよね。何においても、まずは治療優先。 088_ジル「ささっ、キャーラウェイ!前へ進め、部屋へ入れ!」 089_キャラ「え、わっ」 090_ジル「さー、サクサクッとやっちまうぞー!この天才の手腕【しゅわん】をとくと見よー!」 091_コマ「ドクター、それは自分で言う事と違う思うねんけど・・・」 SE:ドアの閉まる音 第9話・終了 < 戻 > |