double contract 第7話 +++ CAST キャラウェイ/chara/山並かえで。様 エウィル/ewhil/mituba様 マナ/mana/蒼悸無絽様 レクト/rect/朱毬 アイラ/aira/高野ぱぐ様 ジェラ/jera/月城星流様 ゼガル/zegal/神樹桃也様 +++ +補足 【 】内はただの読み方です。 ( )は演じる上での指定になります。 途中で出てくる、キャラM、のMはモノローグを表しています。 (お手数ですが、台詞番号_chara_m と保存お願い致します) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○ エリア6・子供達の住居スペース バタバタ、とエリア6に駆け込んでいくレクト。 001_レクト「 (10秒ほど息切れなど、走ってる様子を表現して下さい) 」 さらに走り、奥へと入っていく。 002_レクト「キャラウェイ!ジェラ、キャラウェイは!?(息せきって)」 003_ジェラ「んー?あっち、だったかなァ」 004_マナ「おー、お帰りレクト」 005_レクト「マナ!キャラウェイは?」 006_マナ「あ、ちょい待ち。……おーい!キャラウェイ!」 側にあった建物の戸が開く。 007_キャラ「……レクト。どうだった?」 008_レクト「さらわれた、っていう女の人って……紫っぽい青い髪って言ったな?それなら、エ リア11【じゅういち】の奥にいた」 009_キャラ「様子は?」 010_レクト「柱に縛られてたが、存外【ぞんがい】元気みたいだ。良くはわからないが、向こう のボスに気に入られてるみたいだから、しばらく殺されはしないと思う」 011_キャラ「そう……、それなら安心だけど」 012_レクト「それよりも、見かけない奴らがいた。・・・もしかしたら、そいつらに気付かれた かもしれない」 013_マナ「げっ。え、どんな?」 014_ジェラ「それならあたしも見たヨ。何かやけに美形な奴じゃなーい?で、銀髪の。あー、あ と後ろに黒いのもいたな」 015_マナ「ジェラ、割り込んでくるなよなぁ」 016_ジェラ「何言ってんのヨ、アンタだってキャラウェイとレクトの間に割り込んでんじゃない」 017_マナ「俺はいーの」 018_ジェラ「うっわ何ソレ、ふざけんな、わっけわかんない」 019_キャラ「ジェラ、それ本当に?」 020_ジェラ「んん?あっ、銀髪のと黒いの?何よー、キャラウェイ。あたしが嘘つくわけないじ ゃなーい」 021_キャラ「……そっ、か……(何か考え込むように)」 022_マナ「何。心当たりでもあんの?」 023_キャラ「心当たり、っていうか……もしかしたらそれ、エリア0【ぜろ】のウィリス・ベル ディグリとアトラス・ディアードかもしれないな、って思って。いや、それだけなんだけど」 しばしの間。 024_アイラ「……ってそれ、ブルーが追ってる奴らじゃないの?」 025_レクト「アイラ」 026_マナ「……そっ!そうだ!ブルーの!ってかヤバくね!?」 027_ジェラ「マナの言う通りかもヨ。そんな奴らに関わったらどうなるか……今回のとは関係あ んの?」 028_キャラ「いや、今回は女の子1人連れ戻すだけだって言ってたから、大丈夫だと思う。…… でも一応、ブルーにはそれも報告する」 029_マナ「うっわ、やっぱ言うと思った……!そうだよなー、ブルーに隠し事してもすぐバレるし」 030_ジェラ「つーか、隠してんのバレた時の方が……(ボソリと)」 031_マナ「こ……!ソレ怖ぇ……!メチャメチャ怖えぇ〜〜〜!!」 032_キャラ「……じゃあ私、ブルーの所に行ってくる」 033_ジェラ「あれっ、キャラウェイが行っちゃうの?いつもみたいに誰かにまかせればいーのに (なげやりな感じで)」 034_アイラ「そうよ、わざわざキャラウェイが行く事は無いんじゃない?」 035_キャラ「いや、他に行くところもあるし、大丈夫」 036_ジェラ「ふぅん?そっか、わかった。行ってらっしゃーい」 037_レクト「気をつけて」 038_キャラ「(ひとつ苦笑してから)大丈夫だよ」 キャラウェイがその場を去っていく。 039_ジェラ「ふー…………あーあ、やっぱりあの人のトコ行くのかな、キャラウェイ」 040_マナ「……今日、例のあの人との約束の日だったもんな。帰ってきたら絶対空気重いって」 041_ジェラ「絶対ひどいヨ、あの人。キャラウェイの事もっとちゃんと考えてほしいっての」 042_アイラ「考えてるからこその決断なんじゃないの?」 043_ジェラ「えー、アイラあの人の味方ー?」 044_アイラ「私は、私達はいつだってキャラウェイの味方だ、って約束したじゃないの。それを 破るつもりは毛頭【もうとう】ありません。……でもね、あの人だって絶対悩んだはずよ。い くら赤の他人とはいえ、キャラウェイを自分の子供同然に育ててきたんだから」 045_ジェラ「……わかってるヨ、わかってるけど、キャラウェイが悲しいなんてヤだよ……あー、 もう、あの人……いや、エウィルのバカー!」 ○ エリア6・大人達の住居スペース 何度もためらうキャラウェイの足音、行ったり来たりを繰り返す。 ザッ、ともうひとりの足音がプラスされる。 046_キャラ「…………っ」 047_ゼガル「……おやぁ、キャラウェイじゃねぇの。こんな所でなぁにかなァ?エウィルに用だ ってかァ?」 048_キャラM「 私達が住むエリア6【ろく】。ここは、子供と大人の住居スペースが分かれて いている。所用【しょよう】で大人達のスペースに向かっていたものの……やっぱり邪魔が入 った……いや、予想はしてた。更に言うと、気配はさっきから気付いていた 」 049_ゼガル「最近よぉ、お前ちょっと生意気だよなァ」 050_キャラM「 気配もまともに隠しきれないせいか、この男はなかなか上にあがれない。そし て、下品で、卑怯【ひきょう】で、顔を見るだけでうんざりする 」 051_ゼガル「コントラクターと繋がってるってホントなのかよ」 052_キャラM「 それよりも問題なのは、腰に吊【つ】ったたくさんのナイフ。……まぁ、素早 さを落とす要素にもなっているけれど 」 053_ゼガル「まぁ……そろそろよぉ、痛い目みとかねぇとー、オレ達の邪魔になるかもしれんよ なぁ……っ!!」 声と共に、シュッ、とゼガルがキャラウェイに向かってナイフを投げる。 しかしキャラウェイは避け、カシャンッ、と落ちる。 054_ゼガル「……ちっ(舌打ち)」 チャキッ、と新しいナイフを構えるゼガル。 055_ゼガル「……あーぁ、よけんじゃねえよー。んじゃ、次行くぜェ!!」 056_キャラM「 鋭【するど】く尖【とが】った刀身【とうしん】。こいつの腕が大した事ない とはいえ、少なくとも自分は丸腰【まるごし】。と言うよりも、普段からあまりナイフや銃を 持ち歩かない。それは、エリア6にある唯一【ゆいいつ】の律【ルール】の為…… 」 シュッシュッ、と飛んでくる数多のナイフ。 057_ゼガル「だから、よけんな、っつの!ここは刺さっといた方がっ、盛り上がるじゃねぇか!」 058_キャラM「 随分【ずいぶん】、無茶苦茶な事を言う。どうしようか……ここをどうやって 切り抜けよう…… 」 カシャンッ、と地面に落ちたナイフに足をとられるキャラウェイ。 059_キャラ「……ッ!!」 060_キャラM「 ナイフ……っ?しまった、あいつが最初に投げ落ちたナイフに引っかかるなん て……っ! 」 つまづき転ぶキャラウェイ。 061_ゼガル「はっ、はははぁっ!運が悪かったなぁキャラウェイ!……大人しくくらっとけ!!」 チャキ、と新しいナイフを取り出すゼガル。 062_キャラ「―――!」 063_エウィル「そこで何をしている!?」 ザシュッ、とナイフがキャラウェイの左の二の腕をかすめる。 064_キャラ「……ッ!」 065_ゼガル「……ちっ(舌打ち)」 066_キャラM「 ……この、声……。―――っ!腕……少しやられたみたいだ、血が……でも、 痛がっちゃいけない、あの人に、エウィルに、心配させるわけにはいかない。今日からは、さ せるわけにはいかない……っ 」 067_キャラ「……エウィル」 068_エウィル「キャラウェイ……!」 069_ゼガル「こっ、これはえぇとー……」 070_エウィル「お前は確か……ゼガル、だったな。どういう事だ、なぜキャラウェイに怪我をさ せた!!」 071_ゼガル「い、いやー、その、エ、エウィル様……」 072_エウィル「エリア6の律【ルール】を忘れたわけではないだろうな……?『 同じエリアの 者に干渉【かんしょう】してはならない。さすれば全ては許される 』だ!!」 073_ゼガル「そ、そんなに感情的にならなくても……ボ、ボスにはこの事は……」 074_キャラM「 自分より権力が上の者にはへつらう。……見ていて反吐【ヘド】が出そうだ 」 075_エウィル「消えろ(静かに怒りながら)」 076_ゼガル「ボ、ボスには秘密にしてくださるんで……?」 077_エウィル「消えろ!!」 078_ゼガル「ッ!」 その場を駆けていくゼガル。 079_キャラ「エウィル……」 080_エウィル「俺はいっそ忘れてしまいたいよ、キャラウェイ」 081_キャラM「 今さっき張り上げていた威厳のある声は、いつのまにか消えて。全てのモノに 語り囁【ささや】くような優しい声、それがエウィルの本当の声 」 082_エウィル「エリア内の人間に干渉してもしなくても、全ては許されないんだよ……」 083_キャラM「 沈黙は時へと流れる。……哀しそうなエウィルの顔。 」 084_エウィル「……ごめん、キャラウェイ……俺と関わるばかりに」 085_キャラ「エウィル。……本当に、今日まで?」 086_エウィル「約束だろう……?今限りで俺はキャラウェイに会わない。キャラウェイも、俺と 会わない」 087_キャラM「 エウィルに見えないように隠した左腕……つたい流れる血を感じる。なんだろ う、まるで……まるで、涙のように、涙のように腕を濡らす 」 088_エウィル「キャラウェイ。俺が君を、まだ生まれたばかりの君を……当時できたばかりのこ のエリア6で拾ったのは16歳の時。そして今日が君の16歳の誕生日だ」 089_キャラウェイ「……うん」 090_エウィル「君にはたくさんの仲間もできた。子供達の統率【とうそつ】も任された。もう一 人前だ、かりそめの養父【おや】の出番は終わったんだ」 091_キャラM「 離れていく。離れていく……エウィルが離れていく……。もう会いもしない、 会えもしない、触れることも無い、触れられることも無い、語る事も無い、語られる事も無い 」 092_キャラ「でも……!」 093_エウィル「そして、これ以上俺に近付いちゃいけない。君が俺のせいで、今日以上に危険な 目にあうのを見たくない」 094_キャラ「……うん…………」 095_エウィル「(ひとつ苦笑してから)そんな顔をしないで、キャラウェイ。……胸を張れ、そ して前だけを見て。俺の事は忘れて、今度は君が彼らを、子供達を一人前に育てるんだ」 096_キャラ「……っ……」 097_エウィル「たとえ……たとえ血が繋がっていなくても、君は俺の。大事な娘、大好きな人だ ったよ」 098_キャラ「っ!エウィ……!」 少しずつ離れていっていたエウィルは、とうとう視界から消えていった。 抱かれるように闇へと。 099_キャラM「 ……後に残る、切なさと孤独。血は、血だけが涙のように滴【したた】る 」 100_キャラ「…………ばか……(涙は流さず、かすれた声で)」 第7話・終了 < 戻 > |