double contract 第10話 +++ CAST セイ/ sei /音成ねね様 クロム/ crom /壱様 キャラウェイ/ chara /山並かえで。様 ジル/ jiru /あさひ様 コマ/ koma /驟雨圭様 +++ +補足 【 】内はただの読み方です。 ( )は演じる上での指定になります。 途中で出てくる、セイM、のMはモノローグを表しています。 (お手数ですが、台詞番号_sei_m と保存お願い致します) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ○ ジルの個人医院・診察室 001_ジル「それにしてもアレだな、嫌な切り方されたなぁ。・・・縫うから、あんま直視しねぇ方がいいぞ」 沈黙が流れる。 002_ジル「・・・どした?まさか麻酔きいてねぇ?」 003_キャラ「・・・ううん、違う、大丈夫」 004_ジル「ビビらせんじゃねーぞう、まったく。でも、ちょっとでも痛かったら言えよ?」(怒ってません) 005_キャラ「・・・・・・うん」(うつろげに) 006_ジル「ま、話戻すけどよ。立場上?お前にそういう危険がついてまわるってのが避けられない事 だってのはわかってんだよ。わかってんだけどよー、せめて顔と生命【せいめい】の危機だけは 回避【かいひ】しろよ。顔はアレだよ、おにーさんは思うんだよな、お前きっと美人になるからなっ。 この俺が言うんだから間違いなーい」 またも沈黙。 007_ジル「・・・・・・〜〜〜っ、何があったかはわかんねぇけどよ」 008_キャラ「・・・ごめん、フレイザー」 009_ジル「いいっていいって、無理に訊【き】くのは俺の趣味じゃねぇからな・・・っと、よし、終わりー! ヴィー、消毒・ガーゼ・包帯な」 SE:ジルが椅子から立ち上がる音 010_コマ「はいな。キャラウェイさん、ちょっと失礼しますよー」 011_ジル「あー、終わったー。今日はマジで混んだよなぁ。ヴィー、これ以上はぜってーやらねぇ からな」 012_コマ「はいはい」 013_キャラ「・・・あっ、あのさ・・・」 014_ジル「ん?どした」 015_キャラ「・・・えっと」 016_ジル「あ、痛み止めと消毒液・ガーゼ・包帯出しとくから、マメに取り替えれよ。おっと、化膿 【かのう】止めもちゃんと飲めよ。んでもって二週間後に様子見るから、ちゃんと来るように」 017_キャラ「うん。いや、じゃなくて・・・あの、あ、ありがと」 018_ジル「おうよ」(ニッ、と笑みを浮かべながら) SE:カチャッとドアが開く音 019_ジル「おう、終わったぞ」 020_セイ「あっ、お疲れ様ですっ」 021_ジル「いやいやいや、おにーさんはその言葉で元気いっぱい胸いっぱいさ・・・。えーと・・・、 そうそう、セイ君」 022_セイ「あっ、はい!セイ・橘・ルミナリエです!」 023_ジル「たちばな。・・・ヴィーに聞いたんだけどよー、橘って珍しい名前だよな。あ、俺はジル ステッド・フレイザー。大抵ジルかドクターって呼ばれてるよ。でさぁ、セイ君はこの仏頂面 【ぶっちょうづら】にわざわざ依頼しに来たんだって?」 SE:ビシ、とクロムを指差す音 024_セイ「そ、そうなんです!それで契約で血で情報担当で薬箱が無くてコマさんで・・・!!」 025_ジル「あ〜・・・?ま、落ち着いて落ち着いて・・・・・・って、ん、あれ?ぉ、ぅお?まさかコイツ 寝てる?はぁ?」(信じられないモノを見るかのように) 026_セイ「えと・・・みたい、ですね・・・・・・数分前からこのままです」 027_ジル「はぇ〜、めっずらし、超無防備【ちょうむぼうび】。とりあえず起こさねぇと。話始まらんし」 028_セイ「そ、そうですね・・・」 029_ジル「ぅおーい、クロム起きろー。・・・・・・おっきろっ!・・・・・・おーい・・・」 030_セイ「ブルーベックさん、起きて下さい・・・っ」 沈黙。 031_ジル「・・・・・・起きねーな」(呆れ気味) 032_セイ「・・・・・・はい」(困惑気味) 033_ジル「・・・・・・いっちょ、殴ってみっか」 034_セイ「はい・・・・・・って、えぇ!?」 035_ジル「動かなくなったモンは適切な角度で殴ーる!!」(超真面目に殴る気満々) 036_セイ「わぁああああ!!!駄目です、そんな事しちゃ駄目ですー!!おっ、落ち着いて下さい、 ほら、こうやって揺すってみるとか・・・っ」 037_セイ「!」 038_セイM「 ・・・ビックリ、した。揺すろうと触ったブルーベックさんの身体【からだ】が暖かかった ・・・・・・。って、暖かいに決まってるじゃないか、人間なんだから・・・っ。・・・・・・ただ、凄く冷めた 性格で、人形みたいな顔立ちで、吐く台詞も酷【こく】で。会った時からずっと怖くて、マトモに目を 合わす事ができなかった・・・だから・・・ 」 039_ジル「セイ君ー?」 040_セイM「 ・・・でも、こうやって見ると・・・うん。ブルーベックさんも創【つく】りモノなんかじゃない、 暖かい人間なんだよね・・・ 」 041_クロムM「 黙れ 」(かなり不機嫌で、ドスを効かせてます) 042_セイ「えっ!?」 043_ジル「はっ?ナニどした?」(突然叫んだセイにびくっと) 043_セイM「 な・・・何、今の、と、突然頭の中で声が響いたような。しかも、ブルーベックさんの・・・ ・・・その証拠に、ブルーベックさんの口は、開いてなかった・・・」 044_セイ「フ、フレイザーさん」 045_ジル「お?いんや、ジルって呼んで」 046_セイ「・・・ジルさん、“ 黙れ ”って言いませんでした・・・?それか、聞こえましたか・・・?」 047_ジル「いんや。ナニ?」 048_セイM「 ・・・一体。一体さっきの声は何・・・? 」 049_クロム「手をどけろ」(不機嫌持続中) 050_セイ「わぁッ!!!ブ、ブルーベックさん、お、起き・・・ました・・・?」 051_セイM「 ・・・な、何だか物凄く睨まれてるんですけど・・・っ 」(ビクビクと) 052_セイ「ど、どうし・・・」 053_クロム「ジル、この部屋借りるぞ」 SE:ドアを開ける音 054_ジル「うっわ、まだ俺の仕事終わんねーのぉ?疲れには睡眠補給【ほきゅう】ぅ〜」 055_クロム「この後お前は運転手だ。寝たら殺す」 056_ジル「へーい。全く、こぉーの甘えん坊さんはー」 SE:チキ、と剣を抜こうとする音 057_ジル「いやっ、いやいや何も言ってないよーぅっ。いやぁ、今日もいい天気だなぁ、フハハハハ」 058_キャラ「ブルー」 059_ジル「おんや、ヴィーは?」 060_キャラ「クルーニーさんなら、薬とかを詰めてくるって」 061_ジル「あ、そかそか」 062_クロム「治療は終わったみたいだな」 063_キャラ「・・・うん。あ、ブルー、ここ座る?」 064_クロム「いや、これでいい」 065_ジル「クロム、それ診察台」 066_クロム「それがどうした」 067_ジル「いや別に。ま、いいけどねー」 068_クロム「キャラウェイ、報告」 069_キャラ「あ、うん・・・。例の、青い髪の女の人はエリア11【じゅういち】の方にいたみたい。奥の方 で縛られてたけど、結構元気らしいよ」 070_セイ「―――!じゃあ、ルカはまだ大丈夫なんだね!?」 071_キャラ「そう。何だかエリア11のボスに気に入られてるらしくて、しばらくの間は」 072_セイ「き・・・気に入られて・・・?」 073_セイM「 ・・・キレた時のルカは、手に負えない程の毒舌を吐くのにもかかわらず・・・き、気に 入られてる・・・? 」 074_クロム「11のボスはザナフだったな。5年前まで軍にいた」 075_キャラ「うん。ザナフ・ガナディ。・・・以前のボスを倒して、のし上った実力者。軍の中でも力は トップクラス、そして軍の仲間を、意見の衝突【しょうとつ】の際に・・・9人殺した」 流れる沈黙。 076_セイM「 ・・・少しずつ、平和な日常がさらに激しく音を立てて、崩れ落ちてしまう。こういう会話 は、エリアやコントラクターの世界では普通に罷【まか】り通っているのか 」 077_キャラ「それと・・・・・・」 078_クロム「どうした」 079_キャラ「実は・・・エリア11に、あたしは見てないけど・・・・・・あの男が来てる」 080_セイ「あの・・・男・・・?」 081_キャラ「ウィリス・・・ベルディグリが」(声を押し出すように) 082_クロム「―――!」 083_セイ「えっ」 084_セイM「 エリアを創【つく】りあげた男。すでにトップは自【みずか】ら退【しりぞ】いたものの、 それでも嫌になる位悪名【あくみょう】は轟【とど】いている、あの 」 085_クロム「やはり来たな」(眼光鋭く) 086_セイM「 ルクスに来る道すがら、色んな人から聞いた話・・・・・・コントラクターになる者の ほとんどは家族を殺されたか、復讐心【ふくしゅうしん】をもつ人間。・・・あの目・・・どこかブル ーベックさんは、ウィリス・ベルディグリの事を、街の人、コントラクターの仕事以上に憎んで いるような・・・そんな、気がする 」 087_クロム「何を呆【ほう】けている、行くぞ」 088_セイ「えっ、あっ、は、はいっ!」 089_クロム「ジル、お前はさっさと車を出して来い」 090_ジル「いや〜・・・ってかさー、ナニ。毎回よくわかんねーけどよ、たまには俺が何の為に運転手 やってんだか知りたかったり・・・(ここで溜息をひとつ)・・・毎度毎度、引っ張りまわされてる俺の身 にもなってくれよなぁ・・・」(毎度、から小声でぶつぶつ言っているようにお願いします) 091_セイ「あ、あの・・・っ、ごめんなさい、お疲れなのに・・・」 092_ジル「・・・いいやっ!セイ君のせいじゃないっ!セイ君の頼みならば俺は頑張る・・・!」 093_セイ「実は・・・僕の妹が、エリアの人達に連れて行かれてしまって・・・ブルーベックさんに助けて もらおうと依頼しに来たんです・・・」 094_ジル「――――――ッ!」 095_セイ「あ、・・・あの・・・?」 096_ジル「妹・・・」 097_セイ「は」(ポカンと) 098_ジル「セイ君に妹・・・が、いるとは・・・っ!!セイ君の妹ならば、さぞや可愛いハズ・・・!! さぁっ、行こう!早く、一刻も早くッ!!」 SE:バタバタとジルが駆けていく音 099_セイ「え・・・?」(唖然と) 100_クロム「馬鹿には付き合ってられんな」 SE:パタパタとコマが歩いてくる音 101_コマ「まー、ドクターがやる気出しとる。いつもと気迫【きはく】が違【ちご】うてますけど、何か あったとですか?」 102_セイ「え・・・えと・・・・・・さ、さぁ・・・?」 第10話・終了 < 戻 > |